Let It BeYe Crackeさん

小学生の頃,給食のあとの昼休みの終わりに毎日流れていたのが「Let It Be」でした。

当時はむろんビートルズの曲であることなど知らず(おそらく「ビートルズ」という言葉も知らなかったんじゃ・・・)ましてや歌詞や曲の背景にある物語などは知る由もありませんでした。でも子供心にこの曲の持つ美しさの陰に潜む切なさ,儚さのようなものがなんともいえず胸を締め付けるような気がしてならなかったことをよく憶えています。

おそらく多くの人がそうであっただろうように当時は学校が私にとっての「世界」でした。そして放課後と昼休みだけが「世界」が自分の意のままになる至福のときでした。
私の通った小学校は戦時中師団が置かれていたそうで他の学校に較べてグラウンドがかなり広くそのせいか外に出てまわりを見渡すだけで何かから解放されたような気分になっていたような気がします。その広大な「世界」を自分たちの思うがままに駆けまわることができる時間。教室のあの圧迫感から逃れしばしの自由を謳歌できる時間が昼休みでした。

給食のあとかたづけが終わるとすぐに先を争うように外に駆け出て誰に声をかけるでもなく人が集まって誰が決めたわけでもなく何をするか決まってて午前中に起こったいやなことなんて全部どこかに放り投げてきて。
昼下がりの20分というわずかな時が本当に長く,楽しく感じられたものでした。

それだけに,宴の終わりを告げるこの曲がどこからともなくフェイドインしてくる瞬間が切なく,また恨めしくもありました。歌の入っていない,エレクトーンの音だったと思いますがゆっくりと,でも確実に小さな胸にじわじわと染み入ってくるメロディーでした。
この調べが流れるとき私にとっての「夢」の世界に突然「現実」の冷たいハサミが入れられるのです。
その瞬間から周りにいるすべての人間が「夢」の時間から一瞬にして切り離され校舎に向かって駆けていくのです。
今までの喧騒がまるで舞台の上の演劇だったかのように。
普段は自分もその群れの1人。
でもふと客観的にその光景を眺めるとき今までいた「世界」が忘れられずにいる取り残された存在になってしまってる自分がそこにいる・・・。

私にとってこのメロディーは夢の終わりをいやおうなしに知らせてくれる鐘の音のようなものでした。
そして数年たってこの曲に「初めて」出会い,夢中になり,何度も繰り返し聴き,そして知ったこの曲の真実。

自ら望み,築きあげてきた栄光の日々。
その夢のような時間が自分自身の存在理由がそしてひとつの時代が終わりを告げようとしている。
信じられないスピードで背景が走り去ってゆく。
知らず知らずのうちに時は流れてゆく。
認めたくない。変わりたくない。諦めたくない。
でももう,止められない。
自分もまた,その急流を作る水の一滴に過ぎない。

諦観と祈りに満ちたこのメロディーと詞はあの時あの乾いたグラウンドでおぼろげながら感じた喪失感を思い出させる。
確かにあのときの私とポールは「夢の終わり」に対峙してやるせなく立ちすくむひとつの存在として同じ感情を共有していた・・・。
そう思うと,この曲は私にとって理屈や分析を超越した特別な存在に感じられるのです。
好きな曲は他にもたくさんあります。
好き嫌いを別にしても,いわゆる名曲と思われるものも数多くあります。
しかしこの曲ほど私の原風景にまで迫るスピリチュアルな曲は私にとっては存在しません。

感傷的になってすみません(笑)。でも私がこの曲を聴き,想うとき感傷的にならざるを得ないんです。ご容赦を。

それにしてもなぜ「夢の終わり」,「祭のあと」はかくも切なく,なのに美しいのでしょうか・・・。

ABBEY ROADokさん

当時(中学生時代)は、小遣いが少なくてレコードなんてめったに買えるものではありませんでした。
ラジオばっかり聞いてカセットテープに録音して聴いていたんですが、ある時やけに短い曲ばっかり、しかも自然とつながっていく不思議な曲を録音してしまいました。
それが何って曲なのか、誰の曲なのか知らずに毎日毎日その曲を聞きつづけました。
それがBEATLESのABBEY ROADと知ったのは、それからどれだけたってからだったか・・
懐かしい思い出です。
Hey JudeMasudaさん
私が高校2年生か3年生の時にとうとう解散してしまった。
当時、クリームが解散してブラインドフェイスが結成されるまで長い日々だったような気がします。1年ぐらいずれてるかな?・・・
当時は、オリジナルメンバーできっと近いうちに再結成して新たな歴史を作ると思ってました。
ヘイジュードは2年の文化祭の演奏で思い出を作ってくれました。
よねさん
やっぱノリのある2曲。自信がみなぎってて勢いがある。無駄もない。パンク。メロコアなんか初期ビートルズまんまじゃん。メロディ、リズム、声の、ロックの基本要素ぜんぶそろってる。
そして、ビートルズだけにしか創れない音。歴史のなかでじぶんたちの存在を表明する重要な音がある。ていうのは、曲の良さだけじゃなくて個性があってこそ存在価値が出てくるとおもうから。でも単純にかっこよすぎ。ジョンのボーカル最高!アルバムではRUBBER SOULが一番すき。あと、WE CAN WORK IT OUTも好き。
ゴールドバーグさん
彼等が本格的に日本で注目される前に、ある女子学生の雑誌にほんのヒトコマ、イギリスでのエピソードが載っていたのを私は見逃しませんでした。今でも覚えています。

確か、ジョンとジョージの二人がインタビューを受けている写真が載っていました。「へぇ〜こんな奴らがいるんだ〜」ぐらいにしか思っていなかったのです。

それから数カ月がすぎ、少しづつラジオ番組にもビートルズの曲が流れてくるようになりました。

確か、「プリーズ・プリーズ・ミー」が一番最初に日本では流されたのではないでしょうか?
次に「抱きしめたい」で次が「シー・ラブズ・ユー」ってな感じかな。
とてつもなく分かりやすくて、若さがあって、新しい音楽の到来!皆待ってた!って風だったよね。こんな感じを…。直接訴えかけてくるようなシャウト。彼等は英語で歌っているのに何を歌っているかがわかるんだよね。とてもイイ時代に生まれたなって感謝したもんだよ。
「ああこいつらと俺は同じ空気を吸ってるんだ今」って、よく感慨にふけっていたのです。

シングル盤でなにが一番強烈な思い出かって?
そりゃ〜なんていったって街中4時間もかけて捜し回って、やっと見つけた「のっぽのサリー」でしょう!?あんな演奏とあんなボーカルは今だっていやしないゼ!

バンザイ!ビートルズ!バンザイ!20世紀!
ミポリンさん
〜夏の日〜

女は産後太りが響いたのか、椎間板を痛めてしまい、
近所の整骨院に通うことにした。
女……もう30も半ばになり、3人の子育てに人生の喜びを感じている、ごく普通の主婦。。
そんな女に整骨院の院長は、併設されているスポーツジムで体重を落としてみてはどうか?と提案してくれた。
「スポーツジム……?」
自分の事は二の次で、家族の幸せが第一だった女にとって「自分のために何かする」というのは、
結婚以来一度だって考えたことがなかった。
だがその一言がきっかけで、女に新たな世界が開けた。

女はエアロビだの筋トレだの、それまでの生活になかった「身体を動かすよろこび」に目覚め、
真夏の暑さの中毎日せっせとジムに通った。
そんな女にある日、ジムのスタッフであり、整骨院の見習い柔整士である男が声をかけた。
「毎日頑張ってらっしゃいますね。生き生きとして輝いてます!小さいお子さんもいらっしゃるのに偉いな〜!」
女はとまどった。
(この人はいったい何をいってるのだろう??)
子供を産んで以来、化粧も全くせずGパンにトレーナーしか着ない私になぜこんなことを?
だが男は続けた。
「僕、あなたのこと好きです、いつも密かに応援してました。心から尊敬しています」
たしかに女の体重は目に見えて落ちていた。
でもそれは自分だけの喜びだったはずなのに、こうして気にかけてくれてる人が他にいたなんて。
しかもどこから見てもただの「おばさん」の私に……!

女の夫は女が痩せようが太ろうが、もう何も関心がないようだった。
でも結婚してしまえば、大体どこも似たようなものだろうし、今更という思いもあってもう諦めていた。
だがその男は違った。
4歳年下、そして夫より10歳も年下のその男は表情にひたむきさが宿っていた。
何より女を見る目に何とも言えない暖かさがあった。
それまで全く眼中になかった人だったが、女の意識に少しずつ変化が訪れた。

ある日、私的な事ですごく落ち込んでいた女の前に、男の姿がよぎった。
(あの人なら話を聞いてくれるかも?)
女はジムの受付に座っている男に言った。
「あの……今日お忙しいですか?」
「えっ?どうしたんですか?」
「ちょっと落ち込んでて……相談したかったんですけど」
男はちょっと眩しそうに女を見、わきにあったメモにさっと何かを書いて女に渡した。
「俺の携帯の番号です。何かあったらここに……」
女は高鳴る鼓動を押さえつつ、すばやくそれを隠し持った。

洋楽が大音量で鳴り響く男の車の中で、女は、
今二人で行ってきたカラオケボックスでの出来事をうっとりしながら思い返していた。
男の歌はそれは素晴らしかった。
美声に弱い女は、その時点でかなり男に心惹かれていた。
「今日は楽しかったな」
「……私も」
自分の悩みをうち明けたころから、女にとって男は特別な人になりつつあった。
男は暗闇の中、道ばたに車を停めた。
「いつもは俺がマッサージしてるけど、たまにはあなたにやってもらおうかな」
いたずらっぽい笑みを浮かべて男は女に言った。
女はちょっと戸惑いながらも、いつも整骨院のベッドの上で自分がしてもらっているように
男の引き締まった二の腕を、揉み始めた。

「Ah Look at all the lonely people-----」
それまでの明るい曲調とは違い、何とも言えないもの悲しさの漂ったメロディーが突然車の中に響いた。
男の肩を揉む女の手がビクッと震えた。
「何?この曲?……誰の??」
「えっ?ビートルズ知らない!?」
男が意外そうに言った。
それまで女にとってビートルズとは「イエスタデイ」であって、
メンバー4人がいて1人はすでにこの世にいないと言う以外、何ものでもなかった。
「俺、ビートルズすっごく好きなんだ」
スピーカーから聞こえる歌声とよく似た感じの声で男は言った。

「All the lonely people where do they all come from?
All the lonely people where do they all belong?」
女の耳に衝撃が起きた。
(こんな……メロディーがあるなんて……)
今まで一度だってこんなやるせない曲を聴いたことがあっただろうか?
(今ここには私とこの人しかいない……他には誰も……。
私達も寂しい者の一人なのか……)
非現実の空間に、その曲は容赦なく鳴り響き続けた。
女の手は固まって動かなくなった。
息をするのも苦しく胸が詰まりそうだった
男がゆっくりとこちらを見た。
眼孔に鋭さがあった……いつもと違うまなざし……。
「もう後戻りできないよ……」
男の顔が目の前まで近寄ってきた。
女はそっと目を閉じた。
男の、冷たく薄い唇が女の唇をとらえた。。。

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女は押入の中にしまい込んである、夫の古いカセットテープを引っ張り出して探した。
「ビートルズ」のテープを……。
今までの自分の人生には、残念ながらビートルズは存在していなかった。
だが、大学時代ずっと寮生活をしていて、多種多様な友達と交わってきた夫なら、あるいは持っているかも知れないと思ったのだ。

色々探してみたが、見あたらない。
もう諦めようかと思ったその時、やっとビートルズの文字を見つけた。
「あった!」
万年筆で書かれた色褪せた「ラブ・ソングス」の文字は、案の定、夫の筆跡ではなかった。
夫もビートルズには興味がないはずだ。
だれかに薦められたテープを返し忘れたのか、それとも贈られたものか。

「ラブ・ソングス」というタイトルが、果たしてアルバム名なのか、
それともその人のセレクションなのかは女には知る由もなかったが、そんなことはどうだってよかった。

数日前車の中で聴いた、魂を突き刺すようなストリングスの響きを持ったあの曲はなかったが、
その代わり、今の自分の気持ちにふさわしい優しいメロディラインをもつ曲ばかりが入っていた。
女はその埃にまみれていたテープを、何度も何度も繰り返して聴いた。

その日、女は生まれて初めて爪にマニキュアを塗った。

二人はそれからも、人目を避けて逢瀬を重ねた。
会うたびお互いの想いが強くなっていくのが分かった。
(生きてるって、こんなに楽しいことだったの?)
まるで中学生が思うようなことを、女は毎日感じていた。

夫に尽くし、子供の成長を生き甲斐にする。それが女の幼い頃からの夢だった。
女性の社会進出などには全く興味がなかった。
家庭をしっかりと守ることが、自分の幸せだと信じて疑ってなかった。
「○○さんの奥さん」「○ちゃんのおばちゃん」……。
そう呼ばれることに抵抗を感じている女性達の話を何度も見聞していたが、
好きな人の名字に変わることにずっと憧れていた女にとっては、
そう呼ばれることはむしろ誇らしいことであった。

だが……今は、こうして力強く抱きしめながら、名前を呼び捨てにされて、夢見心地になっている自分がいる。
罪悪感のかけらも持っていなかった。
人の道に外れた恋の刺激は、こんなにも人間を変えてしまうのか。

ホテルの一室で、女は男の腕枕に身を委ねていた。
スローなテンポのムードミュージックが静かに流れていた。
突然男が身体を起こし、枕元のスイッチに顔を寄せた。
「ね、有線でずっとビートルズしか流さないチャンネルあるの知ってる?」
男がチャンネルを変えると、女がいつも見ているTV番組の主題歌が流れてきた。
「あれっ?これもビートルズなの!?私、何でも鑑定団のオリジナルだとずっと思ってた!」
男はお腹を抱え、無邪気な顔をして笑った。
その楽しげな顔が、女が一番好きな顔だった。

その曲が終わると、次には夫のテープの中にあった曲が流れてきた。
(あっ……この曲……)
聞き覚えのあるメロディに、女は耳を傾けた。とても美しいバラードだった。
男は、また女の隣に身体を滑り込ませ、女を片手で抱き寄せた。
そして、耳元でささやくようにその曲を歌った。
♪I want her everywhere And if she's beside me, I know I need never care……

女は静かに目を閉じながら、ずっとこのままでいたい女は思った。

グー子さん

ビートルズに初めて出会った曲、それは☆TAKEさんと同じく「ポンキッキ」での「Please Please Me」でした。
私も、あの時のハートをぎゅっとつかまれたような衝撃は忘れられません。

しかし、当時私はリバイバルブームとなっていたTHE MONKEESに夢中でした。
少ないお小遣いをはたいてLPを買い、擦り切れるほど聞く毎日。。。
そんな私に姉は「あんたは絶対にBEATLESの方が好きになるよ」と冷めた口調で言ったのを今でもよく憶えています。
心の中ではすごく反発したものの、結局姉の言う通りになり現在に至ってます。

好きな曲…あれこれ挙げると私もジョンの曲ばかりになってしまいます。
そしてその中でも「And Your Bird Can Sing」が特にお気に入りです。
理屈ではなく、あの「ポンキッキ」での「Please Please Me」のように私の心をつかんで離さない曲なのです。

ビコーズさん

  中学1年の頃から、聞き始め かれこれ25年以上になります。
ジョンが、亡くなった時は、号外でましたよね。大学のサークル室で、仲間とギター1本で、「ホールド オン ジョン」を、歌ったのを覚えてます。
  ところで、好きな曲選ぶのは、ビートルズの数ある歌の中で難しいのですが、4曲あげさせてもらえれば、
  「and your bird can sing」ポールのギターそれからあのハモリ最高です。
  「all I,ve got to do」初期のジョンの1番のシャウトではないかと・・・。レコードが磨り減るぐらいききました。
  「when Im 64」 ポールのやさしさ、やわらかなメロディ頭から離れません。
  「oktopas garden」(スペルちがってたら、ごめんなさい。)ビートルズ4人が最後にまとまって、歌ってたような、気がする。詩のないようもなんとなく、ほろ苦くこの歌聞くと、暖かなメロディなんだけども、そこはかとなく寂しく感じる。 

ぷよぷよさん

ビートルズの、曲で、1番好きなのを、あげるのはとても、難しいです。それに、そのときどきでかわってしまうので、この曲が1番!というのは、なかなかいえません。

が、アルバムとなると、話は別であります。

体調が、いい時とか気合を入れて聞きたいときとかには、アビーロードです。僕は、ビートルズの、全アルバムのなかでこれが、最高傑作だとおもっています。
A面も、もちろんいいのですが、この、アルバムの真骨頂といえば、B面のメドレーに尽きるとおもいます。鳥肌が立つとは、まさにこの事で、圧倒的な、ビートルズパワーの前では言葉もでなくなります。後世に、誇りえる作品だと、思います。 

と、ここまで書くと、例えば、無人島なんかに1枚だけアルバムを、持っていくとしたら、もちろんアビーロード!という感じになってしまいますが、1枚だけ持っていくとしたら、ぼくは、レットイットビーを、持っていくとおもいます。矛盾するようですが、そうなんです。最高傑作は、アビーロードだとおもっていますが、大好き!なアルバムとなるとこれなんです。アルバムの完成度と言う点ではアビーロードに、2歩も、3歩も譲っているとおもいますが、ビートルズらしさ、ビートルズの、においが1番するのが、僕にとっては、これなんです。なんでかは、わかりませんが、だいだいだいすきなんです。ジャケットも、アルバムの、なんか退廃的な雰囲気も、すべてすきです。
もちろん曲も。と言うわけで(どういうわけや!)僕の、これがすき!は、アルバムレットイットビーなのです!!!(^○^)。